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ニコマコス倫理学(2)

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アリストテレスによると、人が行うあらゆる技術・営為は「善」を目的になされるという。

彼によると、善は3つの意味がある。
道徳的善・・・道徳的によいこと
有用的善・・・役に立つこと
快楽的善・・・楽しくて快いこと

このうちで、道徳的善が最も好ましいものではあるが、他の善と必ずしも相容れないものではない。


そして「善」は「目的」ではあるのだが、目的というものは連鎖的であるという。

これを勉強している高校生を例にとると

勉強する目的は「大学に入ること」
大学に入る目的は「専門的な知識・技術を得ること」
知識・技術を得る目的は「よい社会人になること」
よい社会人になる目的は「幸福になること」

ここで挙げられた「よい社会人になること」までは前の段階の目的であり、かつ次の段階の手段であるのに対して、「幸福になること」はこれ以上の目的がない最高の善であり、人生の究極の目的は「幸福になること」だという。

アリストテレスがこの本で言いたいことは、こういうことのようである(まとめたらエラく単純だが)。

あと、アリストテレスは、人が幸福を実現するのに「徳」が欠かせないという。
ここでいう徳は、人格的に優れているという意味だけでなく、人間としての力量・卓越性を指している。

常に「善」を目指し「徳」を身につけることで、人は幸福が得られる・・・当分私は幸福になれそうにないな。

by nicomachus | 2022-05-27 08:00 | 学問 | Comments(0)

昏るるに未だ遠し


by nicomachus